※内容は個人の感想で紹介した本の購入や読書をお勧めしているわけではありません。
概要
小池百合子都知事が誕生したことで、注目されることになった「ドン」。
自民党東京都連幹事長などを歴任した都議会のドンこと内田議員です。
他にも過去を振り返れば様々な人がドンとして君臨してきました。
そんなドンを永田町で40年以上も現場に携わってきた飯島勲さんが実例を挙げて解説してくれています。
「ドン=悪」というような浅い考えが完全に捨て去れる内容です。
データ
タイトル | ドン 最強の敵か、最良の友か |
著者 | 飯島勲 |
価格 | 1,620円 |
初版 | 2017年6月 |
通販 | Amazon、楽天 他 |
お勧め年齢 | 18歳~ |
もくじ
- 日本のドン
特別対談「飯島勲さんこそ、日本のドンだ」服部幸應 - 政治とカネ
- 政治の本質とは何か
- ドンと汚職事件
- 巻末付録対談「ドンにはタバコがよく似合う」白鳥真太郎
レビューについて
僕にしては珍しく、初版されてすぐに読んだのでレビューは少なめでした。
少ない中でも「うなずきながら読んだ」「非常に納得できる質の高い内容」など良い評価のレビューが全てでした。
これから悪いレビューもあるかもしれませんが、飯島さんが大っ嫌いという方以外は満足できるのではないでしょうか。
感想
多くの大臣秘書官や小泉元総理大臣の首席秘書官を務めた飯島勲さん。
小泉元総理時代には北朝鮮問題でも大活躍され、当時はニュースでも時折拝見してました。
またテレビのコメンテーターとしても他の方とは少し違った目線から的確に指摘する様は圧巻ともいえるくらいです。
さて本の感想ですが、冒頭、まだ本文に入る前の前書きのようなところに
「ドンがいいことばかりしてきたなどと主張するつもりはない。しかし、ドンがやることなすことすべてがダメで、消えてなくなればいいということも、また、ありえないのである」
というのがあります。
ここを読んで僕のこの本に対する期待感が大きく増しました。
結果は言うとその期待は裏切られることなく、最後まで一気に読み進めることになりました。
内田東京都議をはじめ、飯島さんが実際に見てきたドンと呼ばれた方たちのことが本当に分かりやすく書かれています。
「ドンはリーダーのことではない。ドンとは、リーダーが使う『道具』のようなものだ」
という考えから、ドンがいて良かったこと、またその逆のこと。
『ガラス張り知事室』で話題になった田中康夫元長野県知事を例に挙げて、クリーンでオープンばかりでは物事は進まない、上手な根回しが必要だというような主旨の部分があって、本当のスッと身体に入ってくるようでした。
また秘書への暴言や暴力で話題になった国会議員がいました。
なんと秘書が4年半で100人辞めたんだとか。あの報道がされる前に執筆されたであろうこの本において、飯島さんはこう書いています。
「会うたびに横にいる秘書が違っているような政治家の事務所には、理由のいかんにかかわらず、近寄らない方いい。」
当たり前と思う方もいるでしょうが、前後を読むと納得されると思います。
最後(巻末付録を除く)の「ドンと汚職事件」の章は岡光元事務次官の話は政治家サイドと警察関係者の攻防戦。
本当に少しドキドキしてしまうほどの内容でした。
僕は人にオススメしませんし、そんな立場でもないですが、非常に読み応えのある一冊でした。
余談
巻末付録には愛煙家の飯島さんがタバコついて書かれているのですが、飯島さんは他でもよくタバコのことを書いています。
嫌煙家の人達から非難されたり、嫌われることは簡単に予想がつくのにあえて書かれているのでしょう。
こういうところも飯島さんの性格やいい意味で頑固というか、筋を通すというような姿勢なのかなと思います。
しかし、あえて書かなくてもいいよな気もするのですが、いかがでしょうか。
こんな人が読むといいのかも
- ドンとはどういうものか知りたい
- 政治の裏を知りたい
- 今の自分とは違う考え方を学びたい
- 人を見る力を養いたい
- 飯島勲のファン